ブレイクスルー感染とワクチンの意義について

ブレイクスルー感染とは、ワクチン接種をしていても、その予防効果を突破して感染してしまうことです。厳密にはワクチンを2回接種したのち、2週間以上たってから感染した場合をブレイクスルー感染と言います。

 

新型コロナウイルス感染症の場合、ワクチンの効果について、従来株に対しては、発症を防ぐ効果が94~95%で、さらに感染そのものを防ぐ効果も91.5%ありました(イスラエルでの報告)。当初いろいろな医療施設で院内感染が起こっていたところ、医療従事者のワクチン接種が広まると、院内感染はほとんど見られなくなり、我々医療従事者もワクチンの効果を実感していました。しかしながらコロナウイルスも変異を繰り返し、デルタ株が主流となり、残念ながらワクチンを2回接種していても完全な感染予防が困難で、発病や感染を防ぐ効果は64%くらいにまで低下してきたようです。一方、ワクチンの重症化を防ぐ効果はデルタ株に対しても高く、入院を防ぐ効果は93%と高いレベルを維持しています。アメリカでは、「ワクチン接種を済ませた人がブレイクスルー感染で亡くなる可能性は0.001%未満」と発表しています。

さらに最近は新たな変異株であるオミクロン株も出現し、ワクチンの3回目接種が推奨され準備が進んでいます。

 

ワクチンの副反応についていろいろな報道があり、若い世代を中心にワクチン接種をどうしようかと迷っているかたもおられると思いますが、医療現場で毎日発熱患者さんやコロナ感染後の後遺症に苦しむ方を診療している自分としては、ワクチンによるコロナの重症化を防ぐメリットはやはり大きいと思います。

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