咳喘息について

風邪をひいたあと、発熱やのどの痛みはなおったのに、咳が出だしてなかなか止まらない。一回咳が出だすとずっと続き、昼間しゃべろうとすると咳が出だしてしゃべれないとか、夜も咳で寝られなかったり、咳で目が覚めたりするということを体験されたことのあるかたもいらっしゃるのではないでしょうか。長引く咳には肺結核やマイコプラズマ感染症などいろいろ鑑別しなければならない疾患も多いのですが、最近しばしば見かけるのが今回紹介する咳喘息です。

 

厳密には気管支喘息の仲間という範疇なのですが、気管支喘息の一歩前段階といったほうがわかりやすいかもしれません。風邪薬や咳止めは効かず、喘息の治療薬を使わないとなかなかこの咳は止まらないし、喘息の薬を使っても一般に1ヶ月くらい咳が続きます。さらにこの咳喘息、3人にひとりは気管支喘息へ移行するということもわかっており、きちんと適切な加療を受ける必要があります。

 

花粉症やアトピー性皮膚炎などアレルギー体質を持ったかたに多いようですが、小児喘息歴があり大人になってからは喘息は出ていないのに最近咳が止まらなくなったというパターンの方もいらっしゃるし、これまで喘息といわれたことはないが今回初めて咳が止まらなくなったという新規発症の方もいらっしゃいます。

 

咳が1,2週間続く時には「風邪が長引いているだけ」と安易に考えず、御気軽にご相談ください。

寒い冬場に怖いヒートショック

冬といえば某衣料メーカーさんのヒートテック。いいですよね。私も愛用しています。今回はヒートテックではなくヒートショックのお話です。

 

ヒートショックとは、急激な温度変化により血圧や脈拍が乱高下し、脳卒中や心筋梗塞のリスクが高まることをいいます。特に冬場は住宅内の温度差が大きくなるため注意が必要です。具体的には入浴時に用心しましょう。暖かいリビングから脱衣所に行くと室温が低く「寒い」と感じます。この「寒い」と感じる瞬間に血圧が上がり危ないのです。さらに裸になり浴室に入るともっと寒く感じ血圧が上昇し、浴槽につかり体が急に温まると、どんどん血圧は上昇します。そしてしばらくして体の温まりが落ち着くと、今度は血管が広がり血圧が急に下がります。この血圧や脈拍の乱高下により脳卒中や心筋梗塞といった脳心血管イベントが発生しやすくなります。ヒートショックは高血圧や糖尿病など動脈硬化が進行しやすい人や高齢者などで起こりやすくなります。

 

対策としては、温度差をできるだけなくすことが有効で、あらかじめ脱衣所や浴室を温めておくとよいです。脱衣所を暖房器具で温めたり、浴槽にお湯をためる時にふたをはずしたりシャワーを使ってお湯をためたりしましょう。さらに一番風呂を避け、お湯の温度も38から40度のちょっとぬるめのお湯がよいとされています。

 

寒いトイレでも同様のことが起こりやすいのでご注意を。

推定1日塩分摂取量について

健診などで、血圧がちょっと高めと言われたり、腎機能がちょっと悪いと言われたり・・
そして、その次の言葉は「塩分を控えましょう」「薄味にしましょう」・・

もう耳にタコができるくらい聞かれた方も多いのではないでしょうか。私も医師として高血圧の治療を行っている上で、毎日いったい何回くらいこれらの言葉を言っているか想像もできないほどです。
現在日本人の1日塩分摂取量は10g以上とっており、日本高血圧学会では、高血圧の人はこの1日塩分摂取量を6g未満にすることを目標としています。

でも、塩分を控えるといってもあくまで主観的な部分なので、ちゃんと控えることができているかどうかって、なかなかわかりませんよね。

摂取した塩分の約95%以上は尿として排出されるので、1日の塩分摂取量を調べるためには、古くから24時間尿をためて調べるという方法がとられていました。しかし、24時間尿をためるというのは入院の時以外にはなかなかできることではありません。そこで最近は外来での1回の尿検査で、その1日塩分摂取量を推定することが可能になってきました。

多少誤差が生じたりする部分はあるのですが、自分自身が一体どれくらい塩分をとっているかを知ることは大切なことです。

高血圧などのあるかたは、保険適応で検査することができるので、ぜひご相談いただければと思います。

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ございましたらご連絡ください。

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